宮崎吾朗監督の最新作、スタジオジブリとしては初の全編3DCG制作となる長編アニメーション「アーヤと魔女」。
NHK総合にて2020年12月30日19時30分に放送されます。
今回は「アーヤと魔女」の原題の意味や、アニメとの違いについて紹介していきます。
「アーヤと魔女」の原題は「EARWIG AND THE WITCH」
「アーヤと魔女」の原題は2012年に出版されたダイアナ・ウィン・ジョーンズ作の「EARWIG AND THE WITCH」(アーヤと魔女)
あの大ヒットジブリ映画「ハウルの動く城」の原作者でもあります。
スタジオジブリ初の3DCGアニメ『アーヤと魔女』 原作はイギリスの児童小説🧙♀️https://t.co/YrFScbfvs8
宮崎駿が企画、宮崎吾朗が監督を担当する pic.twitter.com/Q5EfW3D9El
— KAI-YOU🦈 (@KAI_YOU_ed) June 3, 2020
作:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
1934年8月16日生まれで2011年3月26日に肺がんのため76歳で亡くなられています。
この「アーヤと魔女」がダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの遺作となってしまいました。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんは英国のファンタジーの女王で、映画「ハウルの動く城」の原作者でもあります。
訳:田中薫子
1965年生まれの科学書・児童書の翻訳者です。
慶應義塾大学理工学部物理学科を卒業されています。
訳書に「大魔法使いクレストマンシー キャットと魔法の卵」「同 魔法の館にとらわれて」「魔法使いの卵」「アーヤと魔女」「ネコ博士が語る 科学のふしぎ」他多数。
絵:佐竹美保
児童書・ファンタジーの挿絵画家の第一人者です。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズのほぼすべての作品の装画・挿絵を手がけ、生前の著者から「自分の本に挿絵をつけてくれた世界中の画家の中でもっとも好き」と言われたそうです。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品以外の挿絵では「西の善き魔女」シリーズ(荻原規子作 中央公論新社刊)「守り人」シリーズ(上橋菜穂子作 偕成社)ほか多数。
「アーヤと魔女」原題の意味
原題「EARWIG AND THE WITCH」の「EARWIG」は和訳すると「ハサミムシ」の意味で、宮崎吾朗監督は「イギリスの古い言い伝えだと、寝ている間にハサミムシが耳の中に入って脳みそを食べる。それが転じて耳元でささやいて人を操るというニュアンスがある」と説明しています。
「EARWIG AND THE WITCH」は「ハサミムシと魔女」ということになりますね。
「アーヤと魔女」原題とアニメの違い
「アーヤと魔女」の原題「EARWIG AND THE WITCH」。
原題「EARWIG AND THE WITCH」とアニメ「アーヤと魔女」の違いについて説明していきます。
「アーヤ」の名前の由来
原題「EARWIG AND THE WITCH」ではEARWIGがヒロインの名前になっており、日本語版の「アーヤと魔女」でアーヤ・ツール(操る)と訳されました。
短い髪の毛を二つに分けて頭の上にピンと立つように結んでいる髪型が、「ハサミムシ」に見立てているようですが、日本語訳の「アーヤ・ツール(操る)」じゃ分からないので残念ですね。
ここが、翻訳の難しいところのようです。
「アーヤ・ツール」と言う名前が「操る」からきてたとはビックリですね。
原題にはない設定
アーヤの母親がロックバンドで活動していたという設定をはじめ、原作にはない要素が盛り込まれています。
宮崎吾朗監督は「孤児院に預けられていた女の子が怪しげな2人に引き取られました、そこで起こったトラブルをなんとかしました、だけだと話として要素が足りないかなという思いがありました」と明かしています。
さらに「ロックバンドの設定は、舞台・時代設定から思い付きました。まず作品の舞台はイギリスで、あとはアーヤが家に閉じ込められるわけですが、スマートフォンや携帯電話があると外と連絡が取れちゃうので(笑)、時代は1990年くらいにしようと考えました。すると1990年に10歳になった女の子が生まれたのは1980年で、そのお母さんの若かりし頃は1970年代。その時代といえば、僕が好きなイギリスのロックが華やかだった頃だなと」と述べていました。
「アーヤと魔女」が1990年代という設定も宮崎吾朗監督が考え抜いてできた設定のようですね。
宮崎吾朗監督の考え
宮崎吾朗監督は、原作「EARWIG AND THE WITCH」を読み、「『人を操る』というのは印象が悪いし、下手すると本当に嫌な子だなと思われる可能性もある」と感じたそうで、アニメ化する上では「アーヤが持っている力が、生きていく上でのしたたかさにちゃんと結びついていればいい」と考えたようです。
「アーヤ」は宮崎吾朗監督に似ているそうで、宮崎吾朗監督は原作を読んで、アーヤは清く正しく美しいヒロインにはならないと思ったそうです。
宮崎吾朗監督が伝えたかったこと
宮崎吾朗監督は、今の子供たちにも「アーヤのようにバイタリティーを持って生きていってほしい」と語っています。
「アーヤと魔女」には「たまには子供に操られるのもいいんじゃないの?」という大人への問いかけもあるといいます。
賢く、強く、したたかなヒロイン「アーヤ」。
「アーヤと魔女」は、子供にも大人にも新たな気付きと、この時代を生き抜く活力を与えてくれることでしょう。
まとめ
「アーヤと魔女の原題の意味は?原作とアニメの内容の違いについても」と題して書いていきました。
「アーヤと魔女」の原題は2012年に出版されたダイアナ・ウィン・ジョーンズ作の「EARWIG AND THE WITCH」。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの遺作となっています。
原題にはない宮崎吾朗監督が考え抜いた設定もあり、子供から大人まで楽しめる作品となっています。
2020年12月30日の放送を楽しみに待ちたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。