戦闘漫画では必ずと言ってよいほど描かれる、作中の人物の死。
今回は、ヴィンランドサガの中で命を落とした登場人物について見ていきましょう。
併せて、命を散らせた最後のシーンも紹介します。
死亡キャラに関わった人物・状況がその後、どのように変化したかも気になりますね。
詳しく解説していきます。
「ヴィンランド・サガ」死亡キャラやその後について
作中最強と謳われるトールズを始め、知的戦略も戦術も兼ね備えたアシェラッドなど「ヴィンランド・サガ」の重要人物が誰に、どのようにして、どんな理由で討ち取られたのか気になるところです。
死亡キャラひとりひとりに、自分を犠牲にしてまで守りたかったものがあったはず。
残された家族や友人など、周りの人物のその後についても綴っていきます。
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死亡キャラ一覧
・トールズ
死亡理由:無数の矢を受け、死亡
トルフィンの父親である、トールズ。
『戦鬼(トロル)』と恐れられるほどの強さを持ち、戦闘狂のトルケルが唯一自分より強いと認める人物です。
『ヨーム戦士団』の大隊長を務めていたが、娘・ユルヴァが生まれたことにより、非情で何も生み出さない戦場が嫌になると、アイスランドで家族と平和に暮らすことに。
その後息子・トルフィンが生まれ、さらに父親として成長します。
しかしその平和は長くは続きませんでした。
私怨を募らせたフローキがアシェラッド兵団へトールズの暗殺を依頼。
罠に落ちたトールズですが、素手でアシェラッド兵団を圧倒、彼は誰も殺さないという不殺の戦いを見せましたが、家族を人質に取られ、自らの命と引き換えにします。
よし、ようがしょ。ひと仕事おわり。
…こんな顔だったっけかな。久々で。 pic.twitter.com/iRY633kVVq— 幸村誠 (@makotoyukimura) April 25, 2021
・アシェラッド
死亡理由:クヌートに刺されたことにより死亡
ヴァイキングの傭兵集団・アシェラッド兵団を束ねる首領、アシェラッド。
相手の性格や才覚を見抜き、先読みする知略も兼ね備えた人物です。
トールズやスヴェン王の暗殺計画にも関わっており、自身の父さえも手にかける冷酷っぷり。
父を討たれたトルフィンの復讐の対象でもあります。
クヌートに自身が理想とする偉大な王の才覚を感じ、彼がデンマークの王となるよう補佐し、忠誠を誓い、行動を共にしていました。
スヴェン王を討ち取るべく動いていましたが、故郷ウェールズとクヌートの命を天秤にかけられ、どちらも救うという選択肢として自らの命を差し出すことを決意。
・ビョルン
死亡理由:アシェラッドに決闘を挑んだ末、死亡
アシェラッド兵団最古参の戦士ビョルン。
アシェラッドの片腕的な存在であり、実力は本物であるが、正念場のときに強い興奮剤『狂戦士のキノコ』を服用し、敵味方関係なく暴れまわるという少々厄介な人物です。
トールズとアシェラッドの決闘の回では、決着がつく寸前にトルフィンたちを人質にし、水を差しました。
クヌート王子を保護し、逃亡の際には狂戦士と化し、大半の追っ手を退けるも不意を突かれ脇腹を刺され重傷を負います。
死を自覚したビョルンは尊敬し、友と認めるアシェラッドの手で人生の幕を閉じたいと願い、決闘を挑んだ末に最期を迎えました。
・スヴェン
死亡理由:アシェラッドに首を切られたことにより死亡
クヌートの父親であり、デンマーク王であったスヴェン。
王位を継いだ後、権力という力に憑りつかれ、保持と拡大に執着します。
また、国内の権力抗争を止めるため息子・クヌートを殺そうとする非道さ全開の人物です。
アシェラッドが故郷ウェールズに執着していることにいち早く気付くと、クヌートを殺せばウェールズ侵攻を見逃してやろうと持ち掛けます。
故郷かクヌートへの忠誠か、選択を迫りましたが、自身の命と引き換えにどちらも救うことを決意したアシェラッドに、スヴェンは首を切られ亡くなりました。
アシェラッド死亡のその後の変化
アシェラッドへの復讐に燃えていたトルフィン。
戦場で手柄を立てれば決闘してやると言われ、アシェラッドの下で働いていましたが、アシェラッドの自決により生きる目的を失いました。
戦士であることをやめ、奴隷の身分へと落ちてしまいましたが、そこで出会ったエイナルという人物と関わるうちに人間らしさを取り戻していきます。
夢の中に現れたアシェラッドにも背中を押され、自身が理想とする『本当の戦士』とは何かに辿り着きました。
父親が言っていた、本当の戦士に剣などいらぬ…という言葉の真意を理解したトルフィンは、『武器も暴力も不必要な誰も傷つけない世界』を作っていくという新たな目標を掲げるのです。
いい絵が描けた。 pic.twitter.com/2FSLwm8oSR
— 幸村誠 (@makotoyukimura) July 29, 2019
また、クヌートへも変化をもたらしたアシェラッド。
スヴェン王の首を討ち取った後、クヌートに自身を討つよう仕向け、忠義を果たします。
トールズ死亡後に残った家族のその後
トールズは息子のトルフィンに『仕返しなどしてはいけない、傷つけてよい者などいない、本当の戦士に剣など必要ない』と何度も言い聞かせていました。
しかし家族を人質として捕られ、家族のために死を選ぶしかなかった父を目の前にしたトルフィンにはその言葉の真意を理解できないままでした。
アシェラッドに復讐心を燃やし、父の教えに反する道を辿ってしまうことになります。
こうして父の仇であったアシェラッドへ近づくのですが、結果的に父が生前トルフィンに言い聞かせていた『本当の戦士』とは何かをアシェラッドが気づかせてくれたのでした。
トールズの娘・ユルヴァは柱を失った家庭を支えようと必死に働く毎日を過ごしていました。
母親似で青年たちの心惹きつける容姿の持ち主ですが、女性が参加しないクジラ漁に乗り込んだりと性格は男勝りで勝気な女性です。
消息不明だった弟・トルフィンとの再会の際には涙を見せるどころか、連絡も入れず家を空けた怒りでアッパーをお見舞いするシーンも。
現在は幼少のころから好意を寄せられていたアーレと結婚し、4人の子どもに恵まれ、自身の母親とも共に暮らしています。
「ヴィンランド・サガ」最後のシーンまとめ
登場人物の最後のシーンには、感動や驚きが詰め込まれています。
特に死にゆく人物が最後に何を願い、これから生きる人たちに何を託すのかは、漫画作品の見所でもあります。
「ヴィンランド・サガ」の人物の最後のシーンにはどのような思いが込められ、語られるのでしょうか。
トルケルの最後のシーン
トールズがいない今、作中最強に一番近い人物であるトルケル。
強すぎるがゆえに、最後のシーンが大変気になると読者からも注目を集めています。
個人的な考察では、唯一敵わなかったトールズの息子・トルフィンと最後の戦闘を繰り広げてくれるのではないかと考えます。
理由は、トルフィンが『本当の戦士』の真意に辿り着き再スタートしたことです。
武器も暴力もない、誰も傷つかなくて良い世界を作る=平和な世界を目指すトルフィン。
一方、戦闘がない世の中なんて考えられないであろう戦闘狂トルケル。
この二人が衝突することは予想できます。
ラスボスがトルケルだと熱い展開間違いないですし、読み手もワクワクしませんか?
因みに、トルケルはトルフィンと一戦交えていますが、シンプルな強さというよりは、アシェラッドの助言ありきの知的戦略に負けました。
決闘としては、トルフィンの勝利に終わりましたが、仲裁あってのことでしたので、あのまま戦いが続いていれば重傷を負っていたトルフィンは生きていたかどうか…。
仲裁が入ったのは、「ヴィンランドサガ」の主人公・トルフィンを失うわけにはいかなかったとも取れますが、あの時よりも強くなった…という伏線がはられていたのかも!と想像すると頼もしくなってきます。
今後のトルケルの動きにも目が離せませんね。
アニメを観つつ、感想を呟きつつ、仕事も上がったぜ。わーお有能じゃないかどうしたボクよ。
なーんか最近よくトルケルを描くなぁ。 pic.twitter.com/3ycxMl0Sra
— 幸村誠 (@makotoyukimura) October 20, 2019
ビョルン最後シーン
ビョルンの最後は、アシェラッドに挑み敗れるシーンです。
致命傷を負わされ、瀕死の状態でしたが自分の最後を飾るのは友であり、尊敬するアシェラッドだと決めていたビョルン。
アシェラッドの一撃により、倒れるも最後に『あんたと友達になりたかった…』と言い残します。
アシェラッドが生い立ちからデーン人を嫌悪していることを知っていたが、それでもデーン人である自分のことを人種を超えて友達だと思ってほしかった、そんな訴えがうかがえるシーンでした。
倒れるビョルンを抱え、アシェラッドは『たった一人の友達だ』と呟きます。
読者からは、これがアシェラッドの本心から出た言葉だと信じたい!との声が多く上がっています。
アシェラッド最後シーン
アシェラッドは最初こそ冷酷さ全開でしたが、クヌートをデンマーク王へ導こうと動くあたりから良心的な発言や行動が垣間見えるようになったように感じます。
最後はクヌートに刺されたことが致命傷となり、命を落としました。
アシェラッドの最後のシーンは、彼が思い描いたシナリオ通り。
クヌートの父・スヴェン王を討った後、自らが王であると狂人のように暴れ始めるアシェラッドでしたが、それはクヌートが攻撃する隙を与えるための演技です。
そして自身を討ち取ったクヌートを称賛し、駆け寄るトルフィンには『本当の戦士になれ』と言葉を残し、息絶えました。
まとめ
自分の好きなキャラが死ぬなんて…と落胆するかもしてませんが、作中の人物の死には意味があります。
トールズが死ななければ、トルフィンは復讐のため、アシェラッドに近づかなかったでしょうし、アシェラッドが死ななければ、トルフィンは父の言う『本当の戦士』の真意に近づけないままだったはずです。
ビョルンとアシェラッドの人種という隔てを超えた友情もまた、感じられないままだったかもしれません。
読者をグッと作中へ引き込んでくれる登場人物の死が「ヴィンランドサガ」をより一層盛り上げてくれているんだと感じます。
残された人たちが彼らの死を尊く思いながら、これからどんな物語を繰り広げてくれるのか期待が募るばかりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。